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そうしてきっと何度でも。

まさかDQ11にはまるとは。
そしてカミュ×主人公で再びほもに目覚めようとは。
また全部終わったら色々感想書きたいですね。
とにかく、あのクリア後のイベントが全編しんどいというお話。



もしも僕が未来から時間を遡ってきたって言ったら、君は信じてくれる?
聖地ラムダで急に僕がいなくなって、また現れて、みんなに心配かけたときがあったでしょう?あの時、それまでみんなと一緒にいた僕と、未来から来た僕が入れ替わったんだよ。
そのあと、魔物に魂を売ってしまったホメロスが襲ってくることも、あらかじめ知っていたから、みんなのことを守れたんだ。

「…」

僕は、一度世界を守ることに失敗している。
あの時ホメロスに対抗するための手段がなくて、そのまま負けてしまった僕は、後から現れたウルノーガに勇者の力を奪われ、剣も奪われてしまった。
剣の力を手に入れたウルノーガによって命の大樹は枯れ果てて、尽きた命が再生しなくなってしまった。
世界中に魔物が溢れ、僕たちも離ればなれになってしまった。
たくさんの命が失われて、たくさんの風景が死んでいった。
そして、僕たちの最愛の仲間、ベロニカも失われてしまった。
ベロニカは、ウルノーガから僕たちを逃がすために、力を使い果たして逃げ遅れてしまったんだ。
その思いを無駄にしちゃいけないと、必死で戦ってきた。振り返ることなんて、許されなかった。そうしてウルノーガは倒された。
また世界には光が戻った。大樹は甦って、死んだ命もまた新しく生まれ変わるようになった。命の輪がもう一度つながった。
だけど、大樹へ還っていったベロニカは、もう僕たちのところへは戻ってこない。それがどうしても、僕たちには受け入れられなかったんだ。

「もう、いい。」

だから『忘れられた地へ向かえば、失われたものを取り戻せる』という神の民の伝承を知った僕たちは、それにすがるしかなかった。ベロニカが帰ってくるなら、なんでもするつもりだった。
だけど、そんなに都合よくベロニカだけを取り戻せる訳ではなかったんだ。
忘れられた塔に納められていたのは、これまで過ぎ去っていった時間を閉じ込めたオーブ。それを壊せば、時間の流れに歪みが生じて、うまくいけば過去に行くことができる。
ベロニカが死んでしまう前に戻って、やり直すことができるかもしれない。

ただし、時のオーブを壊せるのは勇者の力だけ。
過去へ行けるのは、勇者の僕だけ。

みんな止めてくれたんだよ。君も、そうだった。ベロニカがいなくなってしまった今、僕まで消えてしまったら、どうしたらいいんだよって。
それでも、僕の気持ちは変わらなかった。僕にしかできないなら、僕がやるんだって。そう話したら、みんなは諦めたように見送ってくれた。
実際、僕が見た未来よりもすごくうまくいっているんだ。ウルノーガの企みを未然に防いで、力をつける前に倒すことができた。ベロニカは生きているし、世界が闇に満ちてしまうほどの大災害は起きていない。
だけど、何故だろう、ずっと胸が痛いんだ。
みんな、未来なんかわからないまま必死に生きているのに、僕一人だけが取り返しもつかないような罪を犯しているような。

「もう…やめろ。」

君の妹…マヤちゃんも、本当はもっと大変なことになっていたはずだったんだ。どんな物でも黄金に変えてしまう力と、君に置いてきぼりにされた悲しみをウルノーガに利用されて、クレイモラン中を脅かすような魔物にされてしまった。それを、君と僕とで助けに行ったんだよ。
マヤちゃんは魔物になって人を襲うことはなくなったけど。それは、本当に良かったことなんだけど。その代わり、それまで君といた思い出も、何もかもなくなってしまった。
戦士ネルセンの試練、黄金になってしまったクレイモランの玉座の間。君は知らない風景だったよね。あれはきっと、マヤちゃんを止めることができなかったら、ああなるはずだった未来。
あの禍々しい魔王の城は、世界を闇におおったウルノーガがいるはずだった場所。

「…やめろって言ってるだろ。」

そう、ネルセンの試練は、たぶん僕の記憶から作られている。
僕が見たはずの未来、なかったことにしようとした未来の記憶から。

これは、未来を選び直してしまった、僕への罰だ。
僕は世界中の人に対して、償いようもないことをしてしまったんだ。
制止も聞こえないふりをして、吐き出すように言葉を紡ぎ続けた。

「それ以上、自分のことばかり責めるな!」

そう、彼が叫ぶまで。
気づくと、息が苦しくなる程彼に抱き締められていた。僕の肩に顔を埋めるようにしているので、表情まではうかがえないけれど、肩口が暖かく湿っていくのを確かに感じた。
僕の身に起きたことを、まるで自分のことのように怒り、傷ついてくれる。捨ててしまったあの未来でも、今でも、彼だけは変わらない。

「なんとなく…わかってたよ。だけど、話したらかえって混乱させちまうから…ずっと、言えなかったんだよな。」

聞いてもらえれば、それだけで良かったはずだったのに。泣かせてもらうつもりなんか、なかったのに。

「あの時も、こっちでも…お前一人で戦わせてたんだよな。…ごめんな、本当に…」

違うんだよ、君はなにも悪くない。あの時だって、君は一番に僕を止めてくれた。だけど、僕が行くって言って聞かないから、誰よりも明るく振る舞って見送ってくれた。また『向こう』でも一緒に旅をしようなって。何度やり直しても、何度でも相棒になってくれるって。
君はいつだって、僕の味方だった。

今僕が恐れているのは、この『やり直してしまった未来』で、今度は君を失ってしまわないだろうかということ。ここまではうまくやれているけれど、ウルノーガを倒したことで、そのウルノーガに滅ぼされるはずだった邪神ニズゼルファが甦ってしまった。ここから先は、僕にもどうなるかわからない。
もしも君がいなくなってしまったら、きっとまた、僕は罪を犯す。やり方はもうわかっているから。また忘れられた塔を昇り、時のオーブを壊してしまえばいい。一度犯した罪なら、何度重ねたって僕は罪人のままだ。そんなことはもう、今の僕にはなんの問題でもない。
『彼女』の言う通り、今度こそ時渡りに失敗するかもしれない。時間の歪みに飲み込まれて、どこでもない場所に行き着いてしまう可能性もある。それでも、きっとまた僕は手を染める。

また『今の』みんなを置き去りにして、もう一度過去へ逃げ帰って。それでも君がいなくなる未来を変えることができなかったら?
今度は、また別の誰かを失ってしまったら?
逃げ出す方法を知ってしまった分だけ、僕はきっと弱くなった。
失ったものを受け入れたりできないまま、僕は何度でも何度でもあのオーブを砕くのだろう。

彼にされているのと同じくらい、きつく抱き締め返す。驚いたのか、ふいに弛んだ腕の力が、僕に応えてくれるかのようにまた強まった。
少なくとも今は、君はここにいる。この腕の中にいて、いなくなったりしない。そう感じていたかった。
戻ることしか出来ないのなら、いっそ今この時で止まってしまえばいいのに。
そんなことを考えてしまう僕は、もう勇者だなんて名乗れるのだろうか。世界中の誰よりも弱くて、ひどく臆病者だと思った。
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寺島ロシカ

Author:寺島ロシカ
テイルズオブデスティニー2(ジュハロ)、ロマンシングサガ・ミンストレルソング(グレクロ)、ドラッグオンドラグーン2(ノウェエリ)、ブレスオブファイア5(リュウリン)とかそんな話ばっかり。
鳥海浩輔さん、千葉一伸さん、皆口裕子さんの三柱神を崇め奉る。

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